不安定な天気が続き、
局地的な豪雨が降ったりしてますが、
近年よく耳にするゲリラ豪雨と集中豪雨の違いを知っていますか?
その発生メカニズムは?
ゲリラ豪雨と集中豪雨の違いは?
度々耳にする機会の多いゲリラ豪雨と集中豪雨。
この2つの違いは何なんでしょうか?
【集中豪雨】
「局地的で災害をもたらすような短時間の強い雨」
のことを集中豪雨と言います。
集中豪雨は、積乱雲の急激な発達によりもたらされますが、
数時間継続して、強い雨を振らせ続けるには、
様々な条件が必要になってきます。
数時間継続して豪雨を降らせる積乱雲を「マルチセル型」と呼び、
いくつかの種類に分けられ、
雲が丸く固まるクラスター型。
帯状に連なるライン型。
積乱雲の風上に次々と積乱雲発生するバックビルディング型。
先端、側方から積乱雲が湧き出すバックサイドビルディング型。
に分けられます。
集中豪雨を振らる環境要因として、
・下層(地表から上空1500m付近)に収束があること。
下層の収束により、上昇気流が発生する。
・下層の収束がある所に、相当温位がかなり高い(湿った)大気があること。
これにより上昇気流に乗って積乱雲が発達していきます。
・下層の風が弱く、中層の風が強いこと。
下層では積乱雲消滅期に冷気域ができ、
これに乗り上げる形で風上に上昇流ができて新たな積乱雲が発生します。
下層の風が弱ければ、冷気域の広がりが抑えられ、
ほとんど移動しないために長時間同じ所から雲が湧き続けることになります。
中層の風が強いと積乱雲本体は同じ方向に流される事になり、
長時間同じところに雨が降り続けます。
・中層や上層に乾燥した大気、冷たい大気があること。
中層や上層に冷たい大気があると潜在不安定が発達していきます。
また乾燥した大気は上昇による断熱減率が高いため、
これも大気を不安定化させます。
以上のように様々な要因が集中豪雨を生み出します。
梅雨の末期になると湿舌と呼ばれる、
独特の気流によって、集中豪雨が引き起こされたり、
都市部では、ヒートアイランド現象によって、引き起こされる場合もあります。
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【ゲリラ豪雨】
「予測が困難な、突発的で局地的な豪雨の俗称」
気象学的には明確に定義されていおらず、
気象庁はこの言葉を用いていません。
ゲリラ豪雨は集中豪雨の1種ですが、
その性質は全くの別物と言えます。
スーパーセルと呼ばれる、
巨大な積乱雲の発生により伴うもので、
その予測は非常に困難です。
大都市で多く発生することから、
その発生要因として一番に考えられているのが、
ヒートアイランド現象です。
都市部では、室内を冷房で冷やしているぶん、
暑い空気が大気に拡散されています。
それが地表の照り返しと合わさり、
ケタ違いの厚さを生み出しています。
これがヒートアイランド現象です。
このケタ違いに暑くなった空気が、
上空の空気に触れると、大気が不安定になり、
急速に積乱雲が発達すると言われています。
集中豪雨は天災ですが、
ゲリラ豪雨は人災というわけです。
夏に多く発生しているのも納得ですね。
これからの季節、しっかりと対策をして外に出かけましょう!